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男性不妊外来とは

不妊症の原因の約5割は男性側の因子といわれています。

当院「男性不妊外来」では、月1回土曜日午後、泌尿器科医師による男性側の診察と治療を行います。

精液検査結果に異常がある方は受診をおすすめします。また、ED(勃起障害)相談もお受けしておりますのでご相談ください。

問診、触診、超音波検査(必要に応じて)、血液検査(ホルモン検査)、尿検査を行います。完全予約制ですので、 お電話または当院受付にてご予約ください。予約日の1週間以上前に血液検査と尿検査を受けていただく必要があります。

原則として当院通院中の方のみ対象となります。男性不妊にて他院からの紹介状をお持ちの方も、男性不妊外来でなく、 まずは当院の初診をご夫婦そろってご予約ください。 精液中に精子がいない「無精子症」の方は高度専門施設と連携して治療にあたります。

現代人の精子数が減少

『欧米人男性の精液を約40年間調査した結果、40歳未満の男性の精子数が著しく半減している(精子濃度で52.4%、総精子数で59.3%減少)』 という研究結果が2017年に発表されました。厚生労働省の調査でも、男性不妊の患者数は年々増加しています。

過去9年間(2010~2018年)における当院の患者さまの精液所見も減少傾向にあります。

精液検査の基準

WHO 2010の基準値
精液量 1.5ml以上
総精子数 3900万/全精液量以上
精子濃度 1500万/ml以上
運動率 40%以上
前進運動率 32%以上
生存率 58%以上
正常形態率 4%以上

 「精液検査」は採取した精液を顕微鏡で観察し、精液量、精子数、精子濃度、運動率、精子の形態などを測定します。 上記にWHO(世界保健機構)の基準値を示します。基準値を下回るようであれば、 専門的な治療が必要になります。一方で、精子1匹、1匹の質については分からず、 運動精子数が多くても自然妊娠が難しいケースもあります。

精液検査の表現方法

精子の状態
正常精液 全て基準値内 精液も精子も十分にある
乏精子症  精子数1500万/ml以下
総精子数3900万以下
(射出精液あたり)
精子が少ない
精子無力症 精子運動率40%以下
前進精子運動率32%以下
運動精子が少ない
死滅精子症 精子運動率0-数% 不動精子率が高い
減精液症 精液量1.5ml以下 精液量が少ない
無精液症 精液を認めない
(または逆行性射精)
無精子症 精液中に精子を認めない
奇形精子症 正常形態率4%以下 正常形態精子が少ない

 多くの場合、精子濃度のみが低下していることは少なく、 精子運動率、正常形態精子率も同時に低下していることが多いため、 OAT症候群(乏精子症・精子無力症・奇形精子症症候群)と呼ばれています。

男性不妊の原因

男性不妊症の原因の約80%は精子の数が少ない、精子の動きが悪いなど、精子を造る機能に障害がある「造精機能障害」です。
先天的なものは、染色体異常停留精巣、ホルモン異常である低ゴナドトロピン性性腺機能低下症などが原因となります。
後天的なものは、精巣から出ている血管がうっ血し、こぶのようにふくらむ精索静脈瘤や流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)による 精巣炎放射線被曝抗癌剤治療などが原因となります。
造精機能障害のうち原因が特定できたものでは精索静脈瘤が最も多く36%を占めています。 しかしながら、半数以上の56%が原因不明(特発性造精機能障害)です。

男性不妊症の原因の約4%は精子の通り路(精路)に障害がある「精路通過障害」です。 炎症性(精巣上体炎)、先天性精管欠損・精管狭窄、小児期の鼠径ヘルニア手術や腹部手術による精管結紮などが原因となります。

男性不妊症の原因の13.5%は勃起不全(ED)や射精障害など性行為が困難な「性機能障害」です。 また、射精した精液が膀胱に入ってしまう状態を逆行性射精と呼びます。性機能障害と造精機能障害は合併することもあります。



【精索静脈瘤】

精巣から出ている静脈がうっ血し、こぶのようにふくらむものです。 静脈の逆流により精巣内の温度が上昇することで精子がつくられにくくなると考えられています。 軽症の場合は、ビタミン剤や漢方薬を処方しますが、治療は手術が主体になります。 手術による精液所見の改善率は60-70%、自然妊娠率は30%と言われています。 静脈瘤の程度、精液検査結果、奥様(パートナー)の年齢、女性因子の有無などを総合的に判断し、治療方法を決定します。

【ゴナドトロピン性性腺機能低下症】

脳の下垂体という部位から分泌されるゴナドトロピンというホルモンは男性ホルモンであるテストステロンを分泌させ、精子形成を促進します。 このゴナドトロピンが低下している場合はホルモン剤治療を行います。

【特発性造精機能障害】

特定の原因が見いだせない場合、決定的な治療法がないのが現状です。生活習慣改善、薬物療法(ビタミン剤、亜鉛、漢方薬など)を行いますが、 精液検査結果、奥様(パートナー)の年齢、女性因子の有無などを総合的に判断し、人工授精や生殖補助医療(体外受精・顕微授精)を検討します。

【無精子症】

射精した精液中に精子がいない状態を無精子症と呼びます。精子がつくられていない場合(非閉塞性無精子症)と、 精子がつくられていても通路が閉塞している場合(閉塞性無精子症)とがあります。

閉塞性は手術により精子の通り道を再建できる可能性があります。非閉塞性の場合、 精巣内でわずかに精子形成が行われている場合があるので、精巣を切開し、精子回収を試みます(精巣精子採取術)。 特に、手術用顕微鏡を併用して精子を探す方法を「顕微鏡下精巣精子採取術」(Micro-TESE)と呼び、 従来の方法より精子回収率は高く、50%程度とされています。当院では高度専門施設と連携し、 手術を依頼、回収できた精子を使用し顕微授精を行っています。

【勃起障害(ED)】

性行為の時に十分に勃起しない、または勃起が維持できない状態を呼びます。当院では患者さまに合わせて、 生活習慣の改善やED治療薬や漢方薬の処方を行っています。改善のない場合はシリンジ法指導、人工授精を施行しています。